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アメリカには未だにアジア人差別があると、英会話教室で出会った日系アメリカ人を見て確信した話。

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英会話教室といっても、広告やCMで見かけるようなネイティブの方ばかりでない。日系アメリカ人の方もいれば、半分日本で過ごして、半分アメリカで住んでいたいたという半ネイティブの方もいる。実際、僕が出会った英会話講師の方がそれなのだが、世間のイメージと実際の英会話教室の事情は、大きく異なっているのが実情だ。彼らは様々な事情で来日しており、その理由は一律ではない。今回は、英会話教室で出会った日系アメリカ人の話をしようと思う。

 

英会話教室の日常

 
あれはもう一年前ぐらいの話になるだろうか。僕はいつも火曜日の夜のクラスに所属していて、その先生には非常にお世話になっており、彼なしでは英会話をここまで上達させることはできなかったであろう。
 
ある日、急遽火曜日に急用が出来たので、金曜日にクラスを変更することになった。僕はイギリス英語の発音が好きだったから、英会話教室にイギリス英語の先生、つまりイギリス人の先生がいると聞いて、その英会話教室に入ることになった経緯があるため、他の先生には興味がなかった。
 
そのため、他のクラスの授業は受けていなかったので、この日が初めての他クラスの受講となった。(ちなみにイギリス人の先生は僕が教わっている方だけだったため、彼しか選択肢がなかった。先生を誰にするか迷うことがなかったので、ある意味良かったと思っている。)
 

日系アメリカ人女性に出会う

 

事前に日系アメリカ人女性と聞かされていたのだが、彼女は目は虚ろで、自信の無さそうな、かなり顔色が冴えない印象を受けた。僕は正直言って、この人で大丈夫なのだろうか?と思ってしまったが、残念なことに、僕の予感は的中してしまった。いつも教わっているイギリス人の方はとても発音が綺麗で、文法がイギリス人らしくかっちりした文法、論調でお話しされる方なのだが、彼女はネイティブとは思えないほど文法が拙く、会話を膨らまそうとしても、すぐに「Why?」と聞いてきて、会話のリズムもへったくれもなかった。

いまだ中級者でしかない僕が言える筋合いではないが、ボキャブラリーに乏しく、とても英会話の先生に向いているとは言えない人物だった。

 
彼女の出自について伺ってみると、彼女はカリフォルニア出身で、数年前に日本に移住してきたと言う。彼女は詳しい理由を語らなかったが、とにかく彼女は旅行が好きらしく、30ヶ国は周ったらしい。そして、何より印象に残っているのが、
 
「アメリカにはあまり興味がない。生まれた国だから興味はあまりなくて、もっと知らない国のことを知りたい。」
 
と彼女が言い放ったことだった。みなさんは、アメリカ人に対して、どのような一般的イメージをお持ちだろうか?アメリカ人といえば自分の国が大好きで、
 
「USA!USA!USA!」
 
というような感じの愛国者が多いというイメージをお持ちなのではないだろうか。もちろん、アメリカは3億人以上いる多民族国家なので、様々な考えを持った人がいることは承知の上だったが、「アメリカ人として見ないでほしい、どの人種でも国籍でもない、私は自由だ」という悲鳴が、彼女の言葉に隠されているようだった。
 
先にも触れたように、一言でアメリカ人といっても多種多様で、一概に「アメリカ人はこういう性格で、こういった性質を持っている」と断言することはできないが、少なくとも白人、いわゆるアングロサクソンが約70%を占めており、ヒスパニック、黒人、そしてアジア系はその他30%に過ぎず、アメリカで白人以外が快適に暮らすのは非常に困難であり、特にエリート階級まで上り詰めようとすれば、並大抵の努力では不可能である。
 
近年、ヒスパニック系の人口が爆発的に増え、黒人、アジア系の出生率がアングロサクソンを超え、これからアメリカの勢力図は大きく変動していくだろうが、少なくとも現時点では白人が多大な影響力を持っているし、もっとも、彼女が生きてきた時代はそうであったに違いない。
 
ヒスパニック、黒人、アジア系のなかでも、特にアジア系はいじめの対象にされやすく、他の人種に比べても「いじめを受けたことがある」と答えている割合が多いとされる。日本ではアメリカは自由で公平だというイメージを持っている方が数多くいるが、実情は全くそれの逆で、実に閉鎖的で、保守主義であり、想像以上に窮屈な国家である。これは昔イギリスから独立し、アメリカという国家を造ってきた白人達によって形成されたものだ。
 
昔、僕の高校時代の友人がアメリカに留学することになって、アメリカに行く前は「アメリカで一生暮らす」と言っていたのに、一年後彼のfacebookを見たら普通に高校時代の、日本人の友人との写真をアップしていたのを見たときは、何とも言えない気持ちになったが、彼もおそらく差別にあったのだろう。彼は高校時代、英語がそれほど得意ではなかっため、僕は正直、彼がアメリカでやっていけるか気掛かりだったが、残念ながらその不安は現実のものとなってしまった。
 
やはり、彼女はカリフォルニアで激しい人種差別を受けたのだろう。カリフォルニアはハワイに次いでアジア系の比率が高く、多いところでは30%を超える地域もあるぐらいだが、それでも全体に比べれば圧倒的にマイノリティーであることは間違いなく、ヘイトクライムの標的にもなっている。
 
彼女はアメリカでの苦しい生活から決別し、本当の意味での自由を求めて、海外を流れ歩き、日本に行き着いたのだろう。彼女の身に何があったのかは知る由もないが、彼女にとってはアメリカより日本の方が住みやすいと感じているのであれば、移住という選択肢は間違っていなかったといえるのではないか。
 

 

おわりに

 
世界中のどんな国においても、人一人が安定した人生を送ることは至って困難だ。そして、その国のネイティブどころか、ノンネイティブでは尚更だ。人種、言語、習慣という壁にぶち当たり、そしてそれぞれが持っているDNAが、その国に適応できるかは未知数であり、どんな国にしろ、住んでみなければわからない、というのが実情だ。
 
彼女はアメリカであまりにも巨大な壁にぶち当たったのかもしれない。やはり日本でも様々な壁が彼女の前にそびえ立っているだろうが、日本でアメリカほどの差別や屈辱を受けることは考えにくい。少なくとも、幾分かは快適な生活を送れるだろう。彼女の表情が晴れやかな、自身に満ちた表情に変わっていくことを願ってやまない。

 

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